こんにちは!
今回も検査料について解説していきます!
*「〇」から始まる文章は参考文献からの引用になります。
D258 網膜電位図(ERG) 230点
〇網膜電図(ERG)は、前眼部又は中間透光体に混濁があって、眼底検査が不能の場合又は眼底疾患の場合に限り、誘導数に関わらず、所定点数により算定する。

RETevalはモデルコンプリートであればD258-3全視野精密網膜電図が可能です。
D258-2 網膜機能精密電気生理検査(多局所網膜電位図) 500点
D258網膜電図で十分な情報が得られないと医師が判断したもので、
〇前眼部又は中間透光体に混濁があって、眼底検査が不能な黄斑疾患が疑われる患者に対して診断を目的として行う場合(初回診断時1回、以降3月に1回に限る)
〇黄斑ジストロフィーの診断を目的とした場合(初回診断時1回、以降3月に1回に限る)
〇網膜手術の前後(それぞれ1回ずつに限る)

D258-3 黄斑局所網膜電図、全視野精密網膜電図 800点 *施設基準あり
〇厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。
厚生労働大臣の定める施設基準
(1)当該検査を行うにつき十分な機器及び施設を有していること。
(2)当該検査を行うにつき十分な体制が整備されていること。
黄斑局所網膜電図に関する施設基準
1)眼科を標榜している保険医療機関であって、眼科の経験を5年以上有する常勤の医師が1名以上配置されている。
2)黄斑局所網膜電図を記録する装置を有する施設である。
全視野精密網膜電図に関する施設基準
1)眼科を標榜している保険医療機関であって、眼科の経験を5年以上有する常勤の医師が1名以上配置されている。
2)国際臨床視覚電気生理学会の推奨する刺激条件で、全視野刺激により網膜の杆体系と錐体系の網膜電図をそれぞれ分離して記録する装置を有する施設である。
〇黄斑局所網膜電図及び全視野精密網膜電図は、D258網膜電図(ERG)では十分な情報が得られないと医師が認めるものであって、以下に掲げる場合において算定できる。
(1)黄斑局所網膜電図は、黄斑ジストロフィーの診断を目的に、網膜の層別機能解析を行った場合に、患者1人につき年1回に限り算定できる。ただし、当該検査を年2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的必要性を記載する。
(2)全視野精密網膜電図は、網膜色素変性疾患の鑑別と視機能の評価又は黄斑ジストロフィーの診断を目的に行った場合に、患者1人につき年1回に限り算定できる。ただし、当該検査を年2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的必要性を記載する。
(3)D258網膜電図(ERG)又はD258-2網膜機能精密電気生理検査(多局所網膜電図)を併せて実施した場合は、主たるものの所定点数を算定する。



D259 精密視野検査(片側) 38点
〇精密視野検査は、中心視野計又は周辺視野計を用いて視野の測定を行った場合に、それぞれ所定点数により算定する。
〇河本式暗点計による検査及び機器を使用しない検査は、基本診療料に含まれる。
アムスラーチャートによる検査
上記の通達事項から読み解くと、アムスラーチャートによる検査は精密視野検査を算定できないということになりますが、算定できるという話も耳にすることがあります。

算定できる検査としては、上図のFDTスクリーナーによる検査やハンフリー視野計のプログラムエスターマンで算定が可能となります。
D260 量的視野検査(片側)
〇量的視野検査には、全視野にわたって検査する場合のほか、例えば、中心視野を特に重点的に検査する量的中心視野検査等、視野の一定部位を限定して検査する場合があるが、2つ以上の部位にわたって当該検査を同時に実施した場合においても、本区分の所定点数のみを算定する。
例えば、ハンフリー自動視野計にて
プログラム30-2SITA-STANDARDと10-2を両眼測定した場合
静的量的視野検査(片側) 290点 ×2(両眼)となる。
1. 動的量的視野検査 195点

2. 静的量的視野検査 290点

その他、算定例です。
例:身体障害者認定(視野)
両眼開放エスターマン視野 = D259 精密視野検査(片側) ×2
静的量的視野検査(10-2) → D260-2 静的量的視野検査(片側) ×2
同時算定可能です。動的量的視野検査と静的量的視野検査の同時算定(併算)はできません。
小括
今回はERGと視野検査についてまとめました。
ERG検査は進歩目覚ましく、最近の機種であればほとんどが全視野精密網膜電図に対応しています。しかし、通常のERGも臨床では広く用いられています。レチバルのように上位モデルになれば全視野にも対応する、といった機種もありますので注意が必要になってきます。
視野検査はクリニックでも多く行われている検査ですが、ハンフリー自動視野計を用いた身体障害者認定の場合の算定例などはあまり知られていないように思います。
今回はこの辺で、引き続きよろしくお願いします。
参考・引用:保険診療便覧-点数表とその解説-(医学通信社協力編集)
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