こんにちは、第3回目となりました眼科診療報酬シリーズです。
今回からは本格的に点数と算定について簡単にまとめていきたいと思います。
ただし、何度も申し上げますが、診療報酬の算定は所管地域により多少異なりますのであくまで参考に留めていただければ幸いです。
*なお今回の点数については2023年4月時点での点数となります。
今回は基本診療料の初診料・再診料・外来管理加算についてまとめます。
主に無床診療所から病床数200床未満の病院の話になります。
診療所・200床未満の病院の再診の場合は再診料、200床以上の病院の場合は再診料ではなく外来診療料という名前で患者さんへ請求することとなります。
初診・再診・外来管理加算 診療点数一覧
A000 初診料
区分 | 時間内 (診療時間内) | 時間外加算 (休日・深夜除く診療時間外) | 休日加算 (日・祝、12/29~1/3) | 深夜加算 (午後10時~午前6時) |
初診料 (6歳以上) | 288 | 373 (85) | 538 (250) | 768 (480) |
初診料+ 乳幼児加算 (6歳未満) | 363 (75) | 488 (200) | 653 (365) | 983 (695) |
括弧( )内は加算点数です。
診療時間内・6歳以上の初診料288点を基準として、時間外や休日・深夜、乳幼児などの加算分を一覧にしています。
例:6歳以上 初診 午前0時に受診の場合
時間内初診料288点+(深夜加算480点)=768点
*夜間・早朝等加算
一覧表とは別に地方社会保険事務局長に届け出た診療所が平日午後6時(土曜日は正午)から午前8時までの間(深夜及び休祝日を除く)、医療機関が表示する時間内の時間において診療を行った場合は、夜間・早朝加算として所定点数に50点を加算する。(コンタクトレンズ検査料を算定する場合は加算算定できない)
例:午後診察15:00~18:30を標榜していた場合
18:00以降は夜間・早朝加算として診察料に50点加算
A001 再診料 + A001-8 外来管理加算
区分 | 時間内 (診療時間内) | 時間外加算 (休日・深夜除く診療時間外) | 休日加算 (日・祝、12/29~1/3) | 深夜加算 (午後10時~午前6時) | 外来管理加算 |
再診料 (6歳以上) | 73 | 138 (65) | 263 (190) | 493 (420) | 52 |
再診料+ 乳幼児加算 (6歳未満) | 111 (38) | 208 (135) | 333 (260) | 663 (590) | 52 |
括弧( )内は加算点数です。
初診と同様に診療時間内・6歳以上の初診料288点を基準として、時間外や休日・深夜、乳幼児などの加算分を一覧にしています。再診料には外来管理加算が加わることがあるため一覧に入れています。
*夜間・早朝等加算
一覧表とは別に地方社会保険事務局長に届け出た診療所が平日午後6時(土曜日は正午)から午前8時までの間(深夜及び休祝日を除く)、医療機関が表示する時間内の時間において診療を行った場合は、夜間・早朝加算として所定点数に50点を加算する。(コンタクトレンズ検査料を算定する場合は加算算定できない)
例:午後診察15:00~18:30を標榜していた場合
18:00以降は夜間・早朝加算として診察料に50点加算
初診料 解説
はじめに、その医療機関において患者登録もなく新規の登録を行う者は初診となります。
その医療機関に通院し、病気が治癒して治療が一度打ち切られた後に新たに発生した病気に対して新規に治療が開始された場合も初診となります。
例:4/1ウィルス性結膜炎にて初診、4/8経過観察にて再診、症状改善につき治癒となる。
5/1学校健診にて視力低下を指摘され受診した場合、初診料を算定した。(この場合、前回までの病名を全て終了させておく必要があります。新たな病名の開始日を5/1に揃える必要があります)
同一医療機関内で同日に複数診療科を受診した場合、2つ目の診療科の初診料は288点の1/2の144点となります。
前回受診日から日数が経過して「いつから初診扱い」になるのか?
明確に記述されているものはないため、各医療機関の定める期間で受診が途絶えた場合、新たに受診した日の前月末を以前の病名の終了日として初診とすることができます。
前回受診から概ね3カ月経過した場合に初診とする医療機関が多いようです。
中には4~6カ月と設定している医療機関もあるようです。
この3カ月は、システム上で月末で締められるところもありますが、細かな設定により日数にすることも可能なようです。(例:前回受診4/15、初診発生日7/16~)
再診料 解説
同月内であっても、再受診の場合にはその都度請求することができます。同一日に再診された場合には「同日再診」「重複再診」などの記述が必要です。
また、医師が定めた期間内であれば初診に戻さずに再診として扱うことも可能です。
症例1:単純糖尿病網膜症の患者、血糖コントロールも良好であるため次回6カ月後受診の指示がある。
症例2:斜視術後の患者、術後日数経過のため次回5カ月後に受診指示がある。
などといった場合には再診料を算定することができます。
*コンタクト検査料を算定した患者さんについては最終来院日から5年間は再診となります。
コンタクト検査料算定患者さんのコンタクト以外の目的での診察・検査料の算定は別途まとめます。
外来管理加算 解説
外来患者に対して、計画的な医学管理を行った場合は再診料に外来管理加算をして加算することができます。
計画的な医学管理
医師による
〇 問診と患者の訴えの総括。
〇 身体診察(視診・聴診・打診・触診)によって得られた所見と所見に基づく医学的判断等の説明を行う。
〇これまでの治療経過を踏まえた療養上の注意等の説明と指導を行う。
〇患者本人の疑問や不安の汲み取りを行う。
以上の事柄を医師が直接診察で行った場合に算定できます。
ただし、眼科においては、眼科検査・眼科的処置を行った場合は算定不可となります。
再診の患者さんで、検査等は何も実施せず、診察で先生が上記の計画的な医学管理を行った場合のみ算定ができます。
まとめ
今回は基本診療料の初診料・再診料・外来管理加算についてまとめました。
以下に時間外や休日についてまとめた表を残しておきますが、時間外加算の取り扱いは都道府県により異なることもあるので運用にあたっては各都道府県にご確認ください。
時間外 | 平日は概ね6~8時、18~22時 土曜日は概ね6~8時、12~22時 |
休日 | 日曜日 国民の祝日 12/29~12/31、1/2・1/3 |
深夜 | 22~6時 |
参考・引用文献:保険診療便覧ー点数表とその解説ー(医学通信社協力編集)
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